【大阪】茶臼山、歴史に思いを馳せる1分登山

2023年6月13日から6月14日にかけ、大阪・天王寺区にある茶臼山に行きました。知れば知るほど奥深く、学びの多い山でした。

茶臼山の概要

大阪・天王寺区の茶臼山は標高たったの26m。大阪府全体で下から数えて5番目に低い山です。

山名標高(m)国土地理院HPリンク
天保山(てんぽうざん)4.53大阪市港区
聖天山(しょうてんやま)14大阪市阿倍野区
御勝山(おかちやま)14大阪市生野区
帝塚山(てづかやま)19.88大阪市住吉区
茶臼山(ちゃうすやま)26大阪市天王寺区

さすが大阪と感じる部分は、「低山」をキーワードに「大阪五低山」「大阪アルプス」と命名・PRしている点です。大阪アルプスは全長22.9kmに及ぶ五低山の縦走コースだそうで…果たして歩く人はいるのか…そもそも登山なのか…気になる事がふつふつと浮かんできます。

あっという間の登山

登山時間はわずか1分。カップラーメンもできません。せっかくなのでフルタイム2倍速動画でお届けします。

なお、爆速登山ではあるものの、大阪茶臼山への登山は、時間や季節に十分ご注意ください。なぜなら、筆者は次のとおり4回目の挑戦でようやく登頂できたからです。

  • 【1回目】夕方登頂を試みたが、大量の蚊に襲われ断念
  • 【2回目】早朝登頂を試みたが、閉山されており断念(天王寺区は日本有数の高犯罪率地域であり、おそらく治安確保のため夜間の立ち入りが禁止)
  • 【3回目】開山後すぐ登頂を試みたが、ゲリラ豪雨で断念
  • 【4回目】初登頂!
  • 茶臼山からの展望

    山頂は木(ケヤキ)で覆われ展望はほぼ望めませんが、わずかな隙間から通天閣やアベノハルカスなどの有名建築物を拝めることができます。方位盤はないです。山頂のパノラマ写真を掲載します。

    ケヤキもさることながら、山頂にはたくさんの看板が。ただ、ここまで看板を立てるほどの歴史がこの茶臼山には存在します。説明は次の項目で…

    茶臼山の歴史

    大阪茶臼山は、茶臼山界トップクラスの歴史に名を刻む山と言っても過言ではありません。上にある看板にすべての説明が書かれています。

    大阪の茶臼山は、1614年「大坂冬の陣」では一帯が徳川家康の本陣に、1615年「大坂夏の陣」では真田幸村の本陣とった場所として知られています。戦国から江戸へと移り変わる時代の節目の舞台となり、血が流れる激しい戦いが繰り広げられた場所、それがこの茶臼山なのです。周辺には、戦死跡碑も多く設置されていました。なお、山頂の看板は真田幸村ばかりでした。徳川は大阪では人気がないのかも。

    画像は、近くにある一心寺というお寺で入手したパンフレットから切り取ったものです。当時の布陣図が描かれています。

    さらに歴史をさかのぼると、大阪茶臼山は人工物の可能性が高いということがわかりました。大阪の茶臼山は、5世紀ごろの前方後円形古墳という説と、和気清麻呂(わけのきよまろ)という人が池を作り土を積み上げたものが茶臼山だという、2つの説があるようです。もし前方後円墳だとしたら、いったい誰が埋葬されているのでしょうか。茶臼山は、本当に興味の尽きない山ですね!

    (参考)出典: 大阪市ホームページ

    茶臼山の名前の由来

    大阪茶臼山の歴史を調べていると、名前の由来に関する興味深い情報を見つけました。とあるWebサイトによると、茶臼山と呼ばれる山は、その多くが戦陣・城跡だった場所だそうです。お茶の文化が上流階級・戦国武将に広がり、庶民にはまだ浸透していない時代に、城を築いたり陣を張った場所を(おそらく庶民が)茶臼山・茶磨(すり)山と名付けたというのです。

    写真は大阪茶臼山の山容ですが、茶臼の形かどうかの目線でしか見ていなかったので、目からうろこの情報となりました。この先、茶臼の形をしていなくても茶臼山と呼ばれる山があるかも知れません。

    山頂にいたあの生き物

    ここは山のはずなのに、なんと亀が産卵していました。ここまで歴史が深い場所だと、「うさぎと亀」の昔話もここで作られたのかと思ってしまいます。少なくとも地元・長野の山では見られない貴重な経験をさせていただきました。

    茶臼山記念グッズ

    数々の歴史を刻む大阪茶臼山は、大阪人の商人の気質と結びついているせいか、記念グッズの数々がすごいです。茶臼山界ナンバーワンかも知れません。見かけたもののリストです。

    • 茶臼山隣りにある一心寺での登頂証明書発行
    • 一心寺での茶臼山スタンプ
    • 一心寺での茶臼山パンフレット配布
    • 一心寺での茶臼山プロジェクションマッピング上映

    全部一心寺(笑)お寺がこのような活動する所は全国的に見ても僅かではないでしょうか。写真は、記念グッズやパンフレットです。プロジェクションマッピングはなかなかのクオリティでしたが、撮影不可のため、ホームページでお見せできないのが非常に残念です。

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    茶臼山への行程

    合計距離: 108 m
    最高点の標高: 26 m
    最低点の標高: 17 m
    累積標高(上り): 9 m
    累積標高(下り): 0 m

    時間
    08:00 天王寺公園入口 ~ 08:01 茶臼山

    写真

    茶臼山周辺の写真を含む、今回撮影した写真の数々をアップします。

    総合評価

    (後日掲載予定)
    標高はないに等しい山ですが、歴史に名を刻む茶臼山としてはトップクラスでしょう。アクセスのしやすさや、記念品の数々もトップクラスでしょう。楽しい山でした☆