3Dプリンターによる山づくりを振り返る

今回は立体地形図の会の原点でもある立体模型づくりについて、特に3Dプリンターを使った山岳立体模型の制作を振り返ります。

会の立ち上げ当初、私たちはコルク板を切り貼りして、積層式立体地形図作ってきました。今もえんぱーくに展示されている模型がこれに当たります。

その後、2015年に国土地理院の地形3Dデータが無料で使えるようになったことや、アイデア担当・大道具担当の赤津さんが3Dプリンターを購入し試作品を作り始めたこと、塩尻市立図書館が3Dプリンターを導入したことなど偶然が重なりました。このタイミングで3Dプリンター活用を図書館に提案し、山づくりがスタートしたのです。3Dで作った「山」そして「山並み」に、紙の地図で得られない説得力を感じ、気が付いたら次々と「山づくり」にトライしていました。

これまでトライした「山づくり」のストーリーを紹介します。

チャレンジ1
手始めに、塩尻市や長野県全体の地形を制作しました。手のひらサイズのものです。


チャレンジ2
次に、我々のホームマウンテンである霧訪山周辺を28cm(四角)で制作しました。この大きさになると印刷に20時間位かかります。

チャレンジ3
続いて、塩尻から見えるかっこいい山ということで、北アルプスの主峰穂高連峰を中心にした20cm丸方の山を作りましたが、それなら槍ヶ岳まで続いたものが欲しいという要望があり、穂高から槍までの山並みを28cm四角で制作しました。


チャレンジ4
そんなことをやっていたら、北アルプスだけじゃなく、いろんな山がほしいと言われ、長野県の日本百名山を3Dプリンタで作った山々を展示する企画を図書館に提案し、採用されました。

チャレンジ5
今度は、図書館展示を新聞で見つけた人がやってきて、松本市が中心となり実施するイベント「山岳フォーラム」でも展示してほしいと要望をいただきました。それならもっと見栄えするようにと、穂高・槍の作品をベースに、北アルプスを乗鞍岳から白馬岳までつながった山々を28cm四角・6枚で制作しました。全長1.5mの大型作品です。さらに南アルプスの山並み甲斐駒から光岳までも28cm四角・4枚で制作しました。ここまでくると印刷にとんでもない日数がかかっています。失敗含めると1か月以上かも知れません。展示に間に合うか微妙で肝を冷やしました。


チャレンジ6
さらに今度は、山岳フォーラムの展示を見た環境省(上高地管理官事務所)から依頼があり、上高地インフォメーションセンターで展示することになりました。それなら模型を会場に合わせたほうがいいということで、上高地を中心に28cm四角4枚で穂高・槍までの山並みを、塩尻・松本から穂高・槍までの広域立体模型を28cm四角・4枚、28cm×18cm四角・2枚の計6枚で作成しました。もう、とんでもない量のプラスチックを使っています。いったい何キロ使ったのでしょうか。そしてトータル何か月印刷していたのでしょうか。



おまけ
順調に制作したように見えますが、20cmを超える大きなものは、1日以上印刷しっぱなしの状態で制作していました。大量につかったプラスチックは、ABS・PLAなど素材はバラバラで、色もバラバラです。3Dデータの形状や加工条件によっては、朝になって見ると印刷に失敗してプラスチックがジャングルになっていることもありました。図書館さん、本当に大量のプラスチックを投入させていただき、かつ材料が無駄になり申し訳ありませんでした。

これだけ様々な「山づくり」ができたのは、図書館の後押し・協力があったからです。改めてここに感謝いたします。
エピローグ
会のメンバーでアイデア担当・大道具担当の赤津さんが、図書館での立体模型制作前に自宅で作った作品もアップしておきます。フルカラーモデルはメーカーに依頼して作りました。